こんにちは、しーばんです。
マイナー外科の医局所属中に転職活動を行い医局を円満退局。
現在は市中病院で勤務しながらストレスレスな働き方を実現しています。
転職って何から始めればいいか分からないんだよね
考えることが多すぎて、迷っちゃうよね。
本記事では医師の転職活動で何から手をつけたらいいか迷っている人のために、医師転職のロードマップを5ステップでまとめてみました。
ロードマップ通りに進めれば迷うことなく転職を成功させることができます。
王道で普遍的な内容にまとめているので、様々なバックグラウンドのドクターの転職に応用できるはずです。
5つのステップを確認しながら、これらのポイントをしっかりとおさえていきましょう。
これだけ読んどけば、ひとまず大丈夫だぞ
キャリアプランを考える
かつては医師の多くが大学医局に所属し、医局の人事に従って大学病院や関連病院を行き来するキャリアが一般的でした。
しかし、最近はその状況が大きく変わっています。
今では医局に長期間留まることなく、クリニックや市中病院、はたまた企業へ就職するケースなど医師のキャリア選択肢は大幅に広がっています。
初期研修を終えた後に医局に入らず、自らの選択でキャリアを築く医師も増加しており医師の転職はもはや一般的になりつつあります。
研修医の同期も、何人かは医局に入らないって言ってたな・・・
医師のキャリアには主に以下の3つの転機があり、これらのタイミングでキャリアチェンジが行われる傾向にあります。
- 臨床医3~5年目
- 臨床医6~10年目
- 臨床医11年目以降
それぞれの節目についてその動機を確認していきましょう。
臨床医3~5年目
臨床医3~5年目は、まだまだ「若手」とされる時期です。
厚生労働省が実施した調査によれば、臨床研修を修了した医師の79.3%が医局に入局する意向を示しています。(参考:平成31年臨床研修修了者アンケート調査 結果概要)
逆に、2割も入局してないのは意外だね
この時期に多い転職理由としては以下が考えられます。
臨床医3~5年目の転職理由
- 同期が多すぎて症例が回ってこず、経験が積めない
- 選んだ科が合わず、転科したい
- 医局の雰囲気が合わない
- 医局人事で毎年のように引っ越しを余儀なくされる
- とにかく忙しすぎる
- 給与待遇が割に合わない
- 結婚、出産を機に
医師のキャリアが多様化しているとはいえ若手医師の8割が医局に入ることを選択しており、転職理由も医局にまつわるものが多いようです。(医局を辞めると後悔する7つの理由とその対策)
真ん中の5つは、ぼくの転職理由と合致するよ(笑)
臨床医6~10年目
臨床医6年目を超え、専門医を取得した後に転職を考える人は多いようです。
「Dr.転職なび」が退局経験のある医師205名に行った調査では、退局したタイミングで最も多かったのは臨床医6~10年目でした。(引用:医局を「辞めた」医師・205名に聞く!退局の最適なタイミングや後悔しないための対策 - 【Dr.転職なび】)
この時期の医師はすでに一定の臨床経験を積んでいるため、ある程度自立して治療を進めることができます。
「専門医取ったら辞めてやる!」って人は多そうだね(笑)
資格があると病院側からの需要も高いため、以下のような条件を求めて転職を考えることが多いようです。
臨床医6~10年目の転職理由
- 給料をUPしたい(開業資金を貯めたい)
- 当直回数やオンコールなどの待遇を改善したい
- もっと症例数の多い病院で働きたい
臨床医11年目以降
臨床医11年目以降の転職理由は様々です。
「専門医を取った瞬間に医局を辞めるのは、後ろめたさを感じる・・・」と考え、数年間は医局にとどまっていたというケース。
また子供の教育費用や親の介護など、プライベートな事情で転職を検討する医師もいます。
家庭の事情が理由だと、引き止めされにくいしね!
この時期に多い転職理由としては以下が考えられます。
臨床医11年目以降の転職理由
- 医局へのお礼奉公を終えたから
- 子供の受験戦争に備えてお金を貯めたい
- 開業する
- 親の介護のため実家近くの病院で働くから
女性医師の転職
研修医や医局所属時代の同期と話していると、女性医師は出産前後に働き方を見直すことが一般的のよう。
子供との時間を確保するため勤務日数や時間を短縮したり、負担の少ない業務への移行を交渉する方は多いです。
出産や育児に伴うキャリアの変化に際しては、職場に保育所があるかどうかや急な欠勤に対するサポート体制を確認することが重要。
現在の職場がこうした事情に寛容でない場合は、転職を意識する理由となりえます。
非常勤勤務や外来業務のみ、日当直のない健康診断センターへの転職など業務負担を軽減するための選択肢を検討すべきでしょう。
(
)転職の目的・条件を明確にする
「職場を変えたい」と感じたのであればそこには何かしらの理由があります。
その理由が曖昧なままだと転職先でも同じ不満を抱き、無計画に転職を繰り返すことになる可能性も。
あらかじめ転職の目的・条件を明確にしていきましょう。
転職の希望条件をあらい出す
転職でかなえたい理想が不明瞭なのであれば、まずは希望条件をあらい出します。
うーん、理想っていっても、パッと出てこないなぁ
典型的な条件をリストアップしといたから、参考にしてみてね!
具体的には以下のような項目が挙がります。
- 年収
- 勤務日数や時間、残業の有無
- 当直やオンコールの回数
- 勤務地
- 年休の取りやすさ
- 勤務の内容(外来、病棟管理、オペの比率など)
- 福利厚生
希望条件に優先順位をつける
こんなの全部満たす職場なんてあるの?
ないな
だよね(笑)
続いて希望条件に優先順位をつけていきます。
すべての条件が完全に合致する転職先はまず見つからないからです。
自分の理想のライフスタイルに立ち返って、「絶対に譲れない条件」と「譲歩できる条件」に分類していきましょう。
ぼくはプライベートの時間を充実させたかったから、勤務時間や残業の短さを優先してたよ!
この「自分だけの優先順位表」は病院を選ぶフェーズで何度も見返すことになります。
自分の軸をブラさないためにスマホで画像を撮る、Google ドキュメントで管理するなどして、いつでも取り出せるようにしておきましょう。
転職のスケジュールを立てる
転職の意向が固まったらスケジュールを立てていきます。
いつ頃から練っていけばいいの?
次の職場で働き始めたいタイミングから逆算して、半年~1年前から転職活動を開始するのが理想的です。
ぼくは1年前に、転職エージェントに相談することから始めたよ!
特に医局所属の場合は人事に配慮するため4月入職を目指すのがベター。
前年の春~夏から情報収集を始め、秋には採用プロセスに入れるよう計画的に動いていきましょう。
まずは転職先に関する情報収集を行います。
知人からのアドバイス、ネット上の口コミなど複数の情報源があります。
ただでさえ忙しいから、ゆっくりググる時間もないよ
その場合は、転職エージェントへの相談がおすすめだよ!
知人経由だと、医局の息のかかった病院が多いしな
転職エージェントを利用すれば、上記で作成した優先順位リストを提示するだけで条件に合致した医療機関をリサーチしてもらえます。
収集した情報をもとに候補の医療機関を絞っていきましょう。
転職エージェントに相談している場合は、
など検討している病院の裏事情を教えてくれることもあるため効率的にピックアップすることができます。
候補の医療機関が決まったら応募用紙を作成していきます。
転職時の応募書類は「履歴書のみ」の場合が多いです。(稀に職務経歴書が必要なケースもあります。)
転職先の選択肢が一つだけだとギラギラ感が伝わってしまう上、強気な交渉もしづらくなるため、2~3施設に応募するようにしましょう。
やっぱり、手書きじゃないとダメ?
応募書類は手書き・パソコンどちらでも大丈夫です。
応募して返答がもらえたら、面接・病院見学を行っていきます。
病院見学では職場や医師の雰囲気、設備を確認しておきましょう。
求人情報と実際の労働内容に相違がないかを事務の方などに聞いておくことも大切。
基本的には病院見学と面接を1日で行い、面接は院長や診療科長が担当することが多いです。
年収の交渉とかもここでしなきゃいけないんだよね?
そうなんだけど、とても言い出せる雰囲気ではないよ(笑)
転職エージェントを活用すると、金銭面や勤務内容の交渉を代行してもらうこともできるため、見学前に意向を伝えておきましょう。
正直、面接・病院見学は一日がかりでどっと疲れますが比較しないと分からないこともあります。
2~3施設は必ず見学しておいた方がいいでしょう。
病院見学を終えて無事受かれば、1週間~1カ月程度で内定通知が届きます。
内定連絡を受けたら返答期限を確認してカレンダーに書き込むようにしましょう。
くれぐれも返答を忘れないように注意してください。
最終決断に迷ったら、先方や転職エージェントに不明瞭な点を聞いて不安を取り除いていきましょう。
内定の有無は、退職交渉時の安定剤としても機能していくことになります。
内定が決まったときの解放感は忘れられないよ
いよいよ退職交渉に入ります。
退局を決めたら、まず一番身近な上司に伝え、最終的に教授に報告するようにしましょう。
退職の意思は遅くとも3カ月前までに伝えるのが一般的。
人事の問題もあるので可能であれば、退局する半年以上前には、教授に面談のアポイントを取るのが理想的です。
法律的には、2週間前に退職を申し出ればOKとか聞いたこともあるけど
医療業界は狭いから、良好な関係を築いといたほうがいいよ!
円満な退局には「王道な型」が存在します。
気になる方は、医局を円満に辞める切り出し方を参考にしてみてください。
転科するなら退職交渉しやすいから、転科を理由に医局を辞めるメリットも参考にな
自分に合った転職方法を選択する
医師が転職を考える際、主に以下の三つの方法があります。
- 知人の紹介
- 自分で病院にコンタクトを取る
- 転職エージェントに紹介してもらう【おすすめ】
それぞれのメリット・デメリットについて確認していきましょう。
知人の紹介
メリット | デメリット |
採用サイドに信頼されやすい 入職選考がスムーズ 紹介医師がいれば、すんなり馴染める | 入職時の交渉がしにくい 内定したら断わりにくい 辞めにくい |
転職希望を友人や知人に伝え、職場を紹介してもらう方法です。
知人が働いている職場であれば、労働環境や待遇を詳しく知ることができる一方で、労働条件の交渉が難しく、辞めづらいデメリットがあります。
また、転職活動を行っていることがコミュニティ内でばれる可能性があるため、この点も留意しておくべきでしょう。
詳細は知り合いの紹介で医師が転職して大丈夫?を読んでみてください。
できれば内密に進めていきたいな
自ら問い合わせて応募
メリット | デメリット |
自分のペースで転職活動できる | 情報収集が大変 交渉を自分でしないといけない |
自らインターネットなどで求人の情報収集をし応募する方法です。
けっこうガッツが必要そうな方法だね
ぼくも自分で病院に手紙を送ったこともあるよ!返事はなかったけど(笑)
自分で条件交渉をしなければならないため、かなりハードルの高い手法には違いありません。
行動力に自信のある方は挑戦してみてもいいでしょう。
転職エージェントの活用【おすすめ】
メリット | デメリット |
条件交渉してもらえる 求人探しを委託できる 病院の裏事情を教えてくれる 事務的な手続きを代行してくれる | エージェントの良し悪しはガチャ 電話やメールで連絡を取り合う必要がある |
転職エージェントを介して転職活動を行う方法です。
ぼくも使った、一番おすすめのアプローチだよ!
エージェントとつながるには、どうしたらいいの?
転職サイトに必要情報を入力して登録を済ませると、数10分~数時間以内にエージェントから電話がかかってきます。
ステップ2:転職の目的や条件に関してのヒアリングを30分ほど行い、カフェなどでエージェントと直接顔合わせをして関係性を作っていきます。
(しーばんの体験記はこちら)
以降は電話やメールなどで頻繁にやり取りをする必要がありますが、上記の通り多くのメリットのある方法です。
特にあらかたの業務を代行してもらえるのはありがたく、多忙な医師にはぴったりの転職方法といえるでしょう。
これなら、キャリアプランの見直しに集中できそうだね!
入職
前職を退職したら新しい職場へ入職します。
転職のタイミングは個々の状況によって異なりますが、特に年度初めの4月に新たな職場に移る方が多いようです。
転職後にも「休日を使ってバイトをしたい」「資格取得にあたって特定疾患の症例を集めたい」など、採用側に伝えたいことが必ず出てきます。
でも、むっちゃ言い出しにくいんだよね(笑)
しかしエージェント経由での転職であれば、入職後の細かな交渉も代行してくれます。
多くの観点から転職エージェントの利用にはメリットがあるといえそうです。
医師転職ロードマップ まとめ
本記事では、はじめての医師転職を5ステップのロードマップ形式で説明してきました。
医師の転職では自分のライフプランを見直して、計画的にアクションを起こしていくことが重要です。
今回紹介したステップは以下の通りです。
なんとなく、転職のイメージをつかむことができたよ!
転職活動に道に迷ったときは、いつでもこのロードマップに戻ってきて進捗状況を確認するようにしてください。
また、これまで言及してきたように転職エージェントの活用には様々なメリットがあります。
おすすめのサイトをリストアップしておいたので、ぜひ情報収集のためだけでも使ってみてください。
先に書いたように転職活動は遅くとも半年前から始める必要があり、いざというときに手遅れにならないよう登録だけ済ませておくのがベターです。
転職サイトに希望条件だけ設定しておくと公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。
この記事が転職を検討しているドクターの皆様の参考になれば幸いです。
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