こんにちは、しーばんです!
ご存知の通り医師の常勤以外の働き方は定期非常勤とスポットバイトに大別されます。
大学病院所属などであれば医局の斡旋のもと既に非常勤に入っているかもしれませんが、「そういえば自分で応募したことはないかも・・・」という人も少なくないのではないでしょうか?
本記事では『定期非常勤とスポットバイトの違い』とそれぞれのメリット・デメリットを改めて整理して説明していきます。
医師バイトは一通り経験。今でも入りまくってる、ぼくが実体験をもとに解説するよ!
2~3社に登録して、並行して探していくといいぞ
定期非常勤のメリット・デメリット
定期非常勤とは?
定期非常勤とは週や月の決まった曜日・時間に継続的に働く勤務形態のことです。
たとえば「毎週水曜の午後だけ内科外来」や「第2・第4土曜日だけ寝当直」など、あらかじめ勤務スケジュールが固定されています。
契約は半年〜1年単位で更新されることが多く、スポットと常勤の中間のような位置付けの勤務形態といえます。
まずは定期非常勤のデメリットから確認していこう!
定期非常勤のデメリット
スケジュールが固定される
非常勤では毎週の勤務スケジュールが決まっているため、長期スパンで空き時間を拘束されます。
実態としては「○○日の勤務、お休みいただいていいですか?」と交渉すれば応じてくれる院長が多いですが、休みを取るのに一言断りが必要なのはやはり手間です。
非常勤をしつつも週休二日制を死守したい方は、週4~週4.5勤務へ常勤を変更することをおすすめします。勤務日数を減らして空いた一日(半日)に非常勤を入れるといいでしょう。
職場の人間関係に影響を受けやすい
非常勤は同じ職場に継続的に通うため、良くも悪くもそこの人間関係の影響を受けやすいです。
もちろん、いいスタッフばかりなら何も問題はありませんが、相性の合わない看護師や院長がいると結構なストレスになります。
ぼくも訪問診療の車移動のとき、閉鎖空間で合わないスタッフと過ごすのは地獄だったよ・・・
あるいは、あなたとの関係は良好でも職員同士の仲が悪くてドヨンとした空気が流れていることもあります。
可能なら一日テスト勤務をさせてもらって、職場の雰囲気を確認しておいた方がいいでしょう。
契約更新のタイミングで条件が変わることもある
定期非常勤は半年~1年ごとに契約更新があります。このタイミングで勤務条件の変更を提案されることがあります。たとえば、
- 時給の増減
- 業務内容の変更(勤務時間変更、患者数の増加など)
- 契約の打ち切り
などです。必ずしも悪い方向ばかりではなく昇給される場合もありますが、望ましくない変更が一方的に提示されることもあります。
私も常勤の医師が充足したという理由で肩たたきにあったことがあります。(今でもスポットでそのクリニックのオンコール待機に入ってます)
以上が定期非常勤の代表的なデメリットだぞ
続いて非常勤のメリットをみていこう!
定期非常勤のメリット
職場環境に慣れやすい
非常勤では何度も同じ職場へ通うため、流れを覚えやすく慣れた環境で働くことができます。
- 診療の動線
- 独自のルール(患者を○○様と呼ぶ、医師が予約入力するなど)
- スタッフの名前や役割分担
- 電子カルテの操作方法
- 物品の置き場所
など回数を重ねるごとに慣れ、ほとんど意識すらしないようになります。
後に説明しますがスポットはこの点が毎回覚え直しで大変です。常勤と同程度まで業務効率が良くなるのが非常勤のメリットといえるでしょう。
収入が安定する
非常勤は契約期間中、確実に毎月ほぼ同じ額が振り込まれるため収入が安定します。
資産運用におけるコア・サテライト戦略の「コア(核)」のような役割を担ってくれるのが非常勤勤務です。
医師は年齢を重ねる毎に固定費が上がりがちなので、絶対的な額よりも"安定収入"であることがありがたくなっていくはずです。
潜在的な常勤先の候補が見つかる
非常勤の勤務先は"潜在的な常勤の候補"になりえます。
しばらく働いてみて「ここなら長く続けられそう」とか「雰囲気が自分に合っている」と感じれば、そのまま常勤に入ってしまえばいいのです。
逆に相手が先に自分のことを気に入ってくれていれば、「うちに移らない?」とオファーをもらうこともあります。
非常勤はある意味で、毎月の安定収入をもらいながら転職活動をしているようなものなのです。
以上だよ!続いて、スポットバイトのメリット・デメリットを確認していこう!
スポットバイトのメリット・デメリット
スポットバイトとは?
スポットバイトとは単発で入るその日限りの勤務のことを指します。
日勤や当直・日当直など1日単位で契約するケースが多く、勤務日程や内容はその都度決まります。
主なスポットバイトは以下の通り。
- 健診バイト
- 寝当直バイト
- 献血バイト
- ワクチンバイト
- 救急当直バイト
- 自由診療の問診
他にも各専門科外来や内視鏡検査など専門の医師が求められているケースもあります。
ド田舎に数日泊まりこむ寝当直など、勤務地も多様で最も自由度の高い勤務形態といえます。ただそんなスポットにもデメリットはあります。
スポットバイトのデメリット
収入の上下動がある
スポットバイトは1回ごとの勤務に対して求人を探す必要があり収入が安定しにくいです。
もちろん「今月ウハウハやな」って上振れすることもあるぞ
たとえばワクチンバイトに代表されるように繫忙期と閑散期が明確に分かれている場合は、後者の時期では思うように稼げません。
また繰り返しスポットで入っても、ようやく慣れた頃に非常勤・常勤の充足を理由に求人自体が消えてしまうこともよくあります。
狙った求人が市場に出続けるのは稀で、安定性に欠けるのはデメリットでしょう。
環境の変化に対応が必要
スポットは非常勤とは逆で、その都度勤務先が変わるため毎回新しい環境に適応する必要があります。
電カルの使い方や診療の流れを把握するところから始めるため、診療そのものへは体感でいうと60-70%程度しか意識を割けません。
当日になって白衣の貸し出しやWi-Fiが無い、他の医師と同じ控室で気を遣う、休憩時間なのに外出できないといったことが判明することもあります。
応募要項には意外に書かれてないことも多いので、最低限の準備、新しい場所でも順応できる柔軟性が必須といえるでしょう。
人間関係が希薄
スポットではスタッフとの人間関係がどうしても浅くなりがちです。
その場限りの関係性なので、顔や名前を覚えてもらう(覚える)前に勤務が終わってしまいます。
常勤のように「困ったら上司やベテラン看護師が助けてくれる」ということもないので、専門性が問われ侵襲性の高い手技を要するようなバイトは、一人でこなせるようになってから入った方が無難です。
まあドライな関係を好む人にとってはむしろメリットなので、お小遣いのためと割り切って淡々と働きましょう。
続いてはスポットのメリットを説明していくよ!
スポットバイトのメリット
柔軟なスケジュール調整が可能
スポットの魅力は自分の空き予定に合わせて勤務日を選べる点です。
定期非常勤のように勤務日が固定されないため、ある週は勤務を減らし、逆にある週には多めにバイトを入れるということができます。
「やりたい時にやりたいだけ働く」手軽さがスポット最大のメリットです。
業務量の調整も利く
スポットは業務量も調整できるのが地味に大きいです。
たとえば非常勤でクリニック外来を契約すると毎週のように患者数をこなすことが義務付けられます。安定はしますが疲れますし、勤務中に学会発表の準備や副業を進めるのは難しいです。
一方でスポットがメインなら敢えて寝当直や、ほぼ待機時間だけの脱毛バイトなんかを入れることで実働時間を減らせます。
業務量の調整が利くのも忘れてはいけないスポットの魅力です。
普段の診療と違う経験が積める
スポットでは常勤先の業務内容とは違う経験ができるので気分転換というかリフレッシュになります。
たとえば消化器内科の先生が透析バイト、コンタクト処方、精神科外来に入ったりもできるのです。
各専門医からみると危なっかしい治療には違いないと思うけどね・・・
まぁクリニックとしては高単価の専門医を使いたくないんだろうな
このように一見専門科の医師が求められているようで、実態としては何科の医師でも入れるバイトもあるため「プチ転科」が楽しめるのもいい点です。
非常勤にも同じ事はいえますが、つまみ食いのしやすさではスポットに軍配があがるでしょう。
スポットバイト・定期非常勤の給与相場は?
医師バイトは常勤に比べて高い給与設定の場合が多いですが、非常勤とスポットの違いによる給与の差はほぼありません。
給与の相場は日勤だと時給8,000円~10,000円程度です。当直バイトの場合は1回あたり30,000円~60,000円程度が相場かと思います。
ただ以下の条件では時給がさらに上がるぞ
短期間で稼ぎたい場合は敢えてこうした求人を狙ってみるのもいいかもしれません。
続いてスポット・非常勤の注意点をチェックしていこう!
スポットバイト・定期非常勤の注意点は?
自分のスキルを超えた案件には入らない
まずバイトでは基本的に即戦力を求められるケースが多いため、自分のスキルを超えた案件に入ってはいけません。
たとえば救急対応ができないならER外来は避けるべきですし、緊急時対応に不安があるなら透析バイトや(搬送・不搬送の判断を求められるタイプの)当直は応募しない方が無難です。
もちろんイレギュラーな事態が全く起こらない現場はないですし、バックアップ体制もあるので身構えすぎる必要はありません。
ただバイトはあくまでお金のためだと思うので、高いリスクを取る理由はないはず。「勝てる勝負しかしない主義」で臨むようにしてください。
両方求人があるならスポットから入る
もし非常勤・スポットどちらも求人が出ているならスポットバイトから入るようにしましょう。
なぜなら、先にも触れましたが非常勤で契約すると半年~1年は、そこに通い続けなければならないからです。
モンスタースタッフがいたり雰囲気の悪い職場だったとしてもです。
これって結構なストレスなんだよね・・・
この状態を避けるためにも一度スポットで入ってみて、問題ない環境だということを確認しておいた方がいいです。
おすすめのスポットバイトは?
自由診療の問診
最後におすすめのスポットバイトを紹介します。
一番のおすすめは自由診療の問診バイトです。理由は以下の通りです。
- 基本マニュアル通りにやればいいので業務内容が単純
- ほぼ自由時間で実働が少ない
- 好立地で設備がきれい
脱毛やAGAバイトは倍率が高く時給も減少傾向にありますが、いかんせん実働がほとんどないので時給換算で考えれば未だにオイシイです。
最近は包茎治療、SAS(睡眠時無呼吸症候群)のレーザー治療、ピルの処方など多様に案件が市場に出ているので自分に合った求人を探してみてください。
寝当直バイト
みなさん、お馴染みの寝当直バイトもおすすめです。
やはり自由時間が多いスポットは休んでよし、学会準備してよし、副業してもよしで積極的に入りたいところですね。
意外と知られていませんが精神科単科病院の寝当直は何科の先生でも入れます。
健診バイト
健診バイトは上の二つほどの自由時間はありませんがルーチンワーク的業務なのが強みです。
同じ単純作業のワクチンバイトのように、患者が体調不良を訴えることが少ないのもポイント。
美容バイトほど接遇も問われないので「初心者にはベスト!」といえるかもしれません。
非常勤は各専門科に応じた求人が、単価が高くておすすめかな!
定期非常勤とスポットバイトの違い まとめ
本記事では『定期非常勤とスポットバイトの違い』とそれぞれのメリット・デメリットを解説しました。
まずはスポットバイトに何回か入ってみて、新しい環境に馴染む感覚を掴んでから非常勤に挑戦してみるのがいいと思います。
バイトは常勤同様、仲介サイトによって取り扱っている案件が微妙に違います。
1社だけだと月毎の収入にムラが出てしまうので、2~3社に登録して幅広い選択肢の中からオイシイ案件を探していきましょう。
本記事が皆さんのバイト生活の手助けになれば嬉しい限りです。
以上、しーばんでした。
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