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精神科への転科に向いてる診療科は?転科した医師がケース別で解説

人気の転科先としてよく候補に挙がる精神科。

精神科への転科に向いてる診療科はあるのでしょうか。

実際には『歓迎されやすい診療科』というのが存在しており、それには精神科単科病院ならではの問題が絡んでいます。

そこで本記事では『精神科への転科に向いてる診療科』について簡潔に説明していきます。

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精神科転科向きの科:身体が診れる科

精神科転科が歓迎される科の代表格は以下の『身体が診れる診療科』です。

  • 内科
  • 外科
  • 救急科

というのも、精神科の患者は必ずといっていいほど身体合併症を抱えている一方で、精神科経験しかない先生は身体的な管理を苦手としているからです。

病院によっては「非常勤ですら内科がいない」という施設もあり、身体面の診療が可能な医師が求められる傾向があります。

内科

精神科転科が最も歓迎される科です。

急変時の対応はもちろん「糖尿病内科出身で血糖コントロールができる」など、前の科に応じた専門的な内科管理はありがたがられます。

実際、精神科単科病院のスタッフには「身体が診れる内科の先生に当直に入ってもらった方が安心」と考えている方はけっこういます。

各社転職エージェントに問い合わせたところ、最も精神科転科後の年収に色付けされる可能性が高い科だそうです。(経験年数にもよりますが)

外科

周術期に全身管理の経験がある外科の先生も歓迎される傾向にあります。

内科ほどではありませんが、外科出身の先生には最低限の全身管理や緊急性の判断が期待できます。

また精神科単科病院では、しばしば転倒して縫合処置を要するような挫創をつくる患者がいます。

身体面の問題と比較するとシチュエーションは限定的ですが、ナート処置ができると助かる病院は多いはずです。

精神科の看護師さんは清潔野の感覚がなかったりするから、外科出身の先生なら的確な指示が出せるね!

救急科

ベッドサイドで緊急性の判断ができる救急科の先生も歓迎されやすいです。

いくら身体面の評価ができてデバイスを駆使できるといっても、精神科単科病院は検査設備が不十分な場合があります。

エコーやMRI、輸液ポンプが無かったり、CT検査はできても造影剤は使えなかったりします。

夜間となると緊急採血もできない施設もあるので、聴診器ひとつで緊急性の評価が必要になる場面がけっこうあるのです。

その点、他院に"送るor送らない"の判断が高精度でできる救急科出身の先生は重宝されるでしょう。

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精神科転科向きの科:皮膚科

精神科単科病院で対応に困るもう一つの問題として皮膚病変があります。褥瘡や精神科薬による薬疹、足白癬などを発症している患者がいるためです。

その他、皮膚科の先生にウオノメを削ってもらったり、巻き爪を切ってもらったりと意外に依頼することが多い印象です。

施設によっては定期非常勤を依頼するほどですが「月1回しか来ない」場合もあり、そうなると治療が遅れてしまいます。

粉瘤や皮膚腫瘍のオペなどで基本的な縫合技術も持ち合わせているため、皮膚科の先生は歓迎される傾向にあるでしょう。

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特定の条件で歓迎される科

麻酔科

(画像:久喜すずのき病院様より引用)

精神科には電気けいれん療法という全身麻酔をかけて行う治療があります。

この治療を行なっている施設では麻酔科の先生は歓迎されやすいです。

単独で全身麻酔が行えるだけのスキルが必要ですが、高い診療報酬を計上できることから、内科医に次いで転科後の年収の上乗せが期待できる科といえそうです。

「転科後も麻酔科のスキルを活かしたい」という方は、電気けいれん療法を行える病院で精神科医×麻酔科医として働いてみるのもいいかもしれません。

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精神科転科時の注意点

ここからは精神科転科時の注意点について説明していきます。

前の科の経験が年収に反映されるかは病院による

例えば精神科では『精神保健指定医』という資格を持っていれば、ほぼ間違いなく年収増が見込めます。(

一方、転科そのもので年収増が期待できるかどうかはケースバイケースです。

病院側が(内科などの)他科の先生を既に定期非常勤として雇用していて、病院からの需要がない場合は収入に反映されることはありません。

入職前の段階から「私の経験なら年収が増えますか?」と面と向かっては言いづらいでしょうから、転職エージェントに相談して、それとなく聞いてみると良いでしょう。

精神科に専念したいなら事前に伝えておく

精神科転科に向いている科に所属していたのなら、病院側は前の科で培ったスキルに期待を寄せているはずです。

もし転科後に「精神科治療に専念したい!」と考えているなら、病院側に事前に伝えておきましょう。

例えば麻酔科の先生で転科後は全身麻酔をするつもりがないなら、ハッキリと言っておくべきです。

私の場合だと

  • 「ハリーコール時の対応はしーばんに任せよう」
  • 「バルーンが入らなければしーばんにコール」

といった雰囲気が院内に流れており、少なからず余剰な仕事を押し付けられている感は否めません。

そのぶん精神科治療を教えてもらってwin-winな関係を築けているので気にはしていませんが、こうした扱いを求めていない先生もいるはずです。

前の科の治療にコミットする意向がないなら、病院との齟齬が生じないよう事前に伝えておくことをおすすめします。

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精神科への転科に向いてる科 まとめ

本記事では『精神科への転科に向いてる診療科』を説明しました。

これから精神科を目指す研修医の方は、今回説明した診療科を挟んでから精神科に進むのも大いにアリだと思います。

また精神科への転科が歓迎されやすい科というのはありますが、だからといって該当しない科からの転科が不可能なわけではありません。

実際、私の周囲にはその他のマイナー科から転科された先生もいらっしゃいます。

精神科転科が気になった方は転職サイトに希望条件だけ登録しておくと、公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。

本記事が少しでも転科を検討しているドクターの皆様の参考になれば幸いです。

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以上、しーばんでした!

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