精神科の「指定医」と「専門医」って何が違うんよ
精神科には精神保健指定医と精神科専門医の2つの資格があります。
両方取得している先生ももちろんいますが、片方しか取得していない先生もいます。
どちらがより必要なのでしょうか?それぞれ取得するメリットやデメリットはあるのでしょうか?
本記事では『精神保健指定医と精神科専門医の違い、それぞれのメリット・デメリット』を説明していきます。
【この記事を書いた人】
ふなっしー 精神科医
・精神科スーパー救急勤務
・日本精神神経学会所属
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精神科専門医とは?その取得方法とデメリット
精神科専門医は日本専門医機構認定の専門医です。
こちらは他の診療科と同じく専門医プログラムに登録して3年のプログラムを修了する必要があります。
ほとんどは大学のプログラムのため基本的に入局が必要となってきます。
専門医プログラムを終了後、専門医試験とレポート、面接を合格して専門医となることができます。
合格率も他の専門医と比べて低く、7割程度となっています。1回で受験してもストレートでは受からずに何回か受験をして、合格する方が多い印象です。
専門医の更新にも学会に出席したりして単位を取得する必要があり、維持をするにもそれなりの費用がかかってきます。
また週4日32時間勤務していないと専門医を更新することができません。
他の診療科を勉強したいとか、医師以外の仕事をしてみたいと考えている方には大きな足枷となります。
取得するにも維持するにもかなりのコストがかかってしまうよ
基本的には入局が必須ってのも痛いな
でも、それだけメリットもあるんじゃないの?
精神科専門医のメリット
では専門医を取得して得られるメリットはなんでしょうか?具体的には以下の3点となります。
◾️クロザリル、コンサータを処方できる。
◾️抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬を多剤出しても減算がされない。
◾️保険診療におけるrTMSの適応を判断できる。
それぞれについて確認していこう!
クロザリル、コンサータを処方できる
専門医には特定の薬剤を処方できる権限が与えられています。
1つはクロザリルを処方することができます。
統合失調症に対する抗精神病薬で他の抗精神病薬より効果が強いとされています。
効果が強い分、副作用が強いため処方が厳格に管理されております。
外来ではほとんど使わず、長期の入院中の統合失調症患者さんに多く使っている印象です。
もう1つにコンサータを処方することができます。
コンサータは注意欠陥・多動症(ADHD)に対する治療薬でこちらは濫用される恐れから特別な管理となっている薬剤です。
ADHDは他にもインチュニブやストラテラという薬剤があり、まずは最初はこの2剤を使って治療を行います。
臨床的にコンサータが必要となるようなADHDの患者さんは割合としては少なめである印象だね
どちらも、臨床的に処方機会の少ない薬剤なのか・・・
抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬を多剤出しても減算がされない
その他には多剤を処方しても減算がないというのもあります。
精神科では、
- 抗不安薬を3種類以上
- 睡眠薬を3種類以上
- 抗うつ薬を3種類以上
- 抗精神病薬を3種類以上
- 抗不安薬と睡眠薬を4種類以上
併せて投与した場合は診療コストが減算されます。(参考:〈向精神薬多剤投与〉 - 医科 - 保険請求Q&A | 兵庫県保険医協会 )
精神科専門医を取得して、かつ必要な講習を受けた場合にはこの減算がなくなります。
ただし薬剤を減算になる程必要になる患者さんは全体の割合として少なく、この制度を使う機会は多くはないです。
精神科領域では多剤併用を避ける流れになっているから、今後もこの制度を使う頻度は減っていくと思うよ!
保険診療におけるrTMSの適応を判断できる
最後にrTMS治療の適応を決めることができます。
rTMS治療とは経頭蓋磁気刺激療法で薬剤抵抗性うつ病の方に対する磁気を使った治療です。
保険診療のrTMSの適応を決めることは精神科専門医しかできません。(参考:日本精神神経学会 反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針)
保険診療に関しては現状は入院にて治療が行われているためクリニックでは自由診療でのrTMSのみ実施されています。
自由診療の場合は特に適応を決めるために精神科専門医は必要ありません。
保険診療のrTMS治療を行っている施設は全国でも※65カ所だけだから、「ないと困る」というほどのメリットではないよね
(※2024年10月時点)
精神科専門医のメリット・デメリット、一旦まとめ
それではまとめます。
【精神科専門医のメリット】
◾️クロザリル、コンサータを処方できる。
◾️抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬を多剤出しても減算がされない。
◾️保険診療におけるrTMSの適応を判断できる。
【精神科専門医のデメリット】
◾️週4日32時間勤務しないと維持が困難である。
◾️精神科専門医試験の合格率も低く、専門医研修を修了してもストレートに取得できない可能性がある。
◾️精神科専門医に対して保険診療報酬上の加算がないために、専門医があるからといって給料が上がることは非常に稀である。
さっきの話だと、メリットが限定的な気がするんだけど・・・
よく気付いたな。その通りだぞ
次は精神保健指定医について確認していこう!
精神保健指定医とは?その取得方法やメリットは?
精神保健指定医とは?そのメリットは?
こちらは国家資格の免許となり、厚生労働省の管轄の免許です。
精神保健指定医は精神科特有の免許となり、他の科では類似の免許がありません。
資格を取得することによって精神科病棟での隔離や拘束、医療保護入院を行う権利を得ることができます。
その他のことに関しても精神保健指定医は精神保健福祉法という法律を適切に運用することが求められ、その法律に基づいた権利を行使することができます。
また国家資格である特性上ほとんどの精神科の診療コストは、精神保健指定医に紐づきます。
そのため精神科単科病院やメンタルクリニックで働く上では必須の資格となります。
精神科の診療コストが指定医に紐づいているために平均300万程度は指定医のあり、なしで年収が変わってきます。
300万円はデカすぎる!!!
収入への影響はやっぱり無視できんよな
精神保健指定医の取得方法は?
専門医プログラムに登録しなくても指定医の取得は可能です。
3年以上の精神科診療の経験があれば申請ができます(週4日32時間以上の必要はある)。
ただしレポートとして措置入院症例や医療保護入院症例が必要であるので、制度上、1年以上は精神科入院病床がある施設で勤務が必要となります。
筆記試験はなく、5症例のレポートを提出し、レポートが問題なければ面接試験で指定されるかどうかが決まります。
一時期、指定医のレポートの不正問題があって合格率は70%近くまで低下していましたが、近年では90%近くまで回復してきています。
取得を目指すなら今が最適の時期かもしれません。
指定医の更新も講習を1回受けないといけないですが、専門医のような学会で単位を取るとか、常勤が必須の条件などはありません。
指定医の維持コストは専門医に比べるとはるかに安い上、収入も指定医があるかないかで変わってくるので、どちらか取得するなら断然指定医です。
精神保健指定医の方が圧倒的に重要なんだね!
精神科単科病院に直接就職をしても取得が可能だから、ぜひ指定医を目指してみてね!
精神保健指定医取得を目指す際の注意点は?
注意点としては精神科単科病院も病院によって様々です。
措置入院がほぼない病院もあります。レポートを提出する症例がちゃんと取得できるかどうかは確認が必要です。
またレポートの指導体制も施設によって様々です。中には指導体制が全くない病院や、あったとしても昔の法律や制度に基づいた指導しか受けられない病院もあります。
ホームページやネットの情報を鵜呑みにせずしっかりと就職の際はコンサルタントなどと相談しながら病院を選んでいくのが大事です。
指定医を取得して年数が経っていない先生が複数いて、指導が受けられるような施設がおすすめだよ!
精神保健指定医のメリット・デメリット、一旦まとめ
それではまとめます。
【精神保健指定医のメリット】
◾️医療保護入院、隔離、拘束などを行うことができる。そのため精神科単科病院では必須の資格である。
◾️診療コストに紐づいているために指定医を取得することで年収が上がる。
◾️精神科プログラムに登録する必要はないので、医局に所属する必要がない。
◾️専門医と比べて維持コストはかなり安い。
【精神保健指定医のデメリット】
◾️特になし。
デメリット特になし(笑)
指定医にまつわる業務を「ムダな仕事が増える」と感じる精神科医はほとんどいないだろうね
指定医と専門医の取得どちらを目指したらよい?
精神科に関しては精神保健指定医のあり、なしによって年収が変わってきます。
どちらかを選ぶとしたらまずは精神保健指定医の取得を目指してみてください。
医局に所属をしなくても取得が可能です。
例えば精神科クリニックで2年程度勤務して、その後精神科単科病院に就職すると1年半程度で症例を集めることができればレポートを提出することができます。
ぜひ指定医を目指すことができる施設に就職を考えてみてください。
転職などでは精神保健指定医が必要な求人が多いので、まずは指定医の取得が大事だよ!
精神保健指定医と精神科専門医の違い まとめ
本記事では『精神保健指定医と精神科専門医の違い、それぞれのメリット・デメリット』を説明しました。
結論として、精神保健指定医の方が圧倒的に大事です。
- 「現在所属している診療科で満足のいく働き方ができていない」
- 「医局に疲弊していて退局したい」
- 「現在研修医だけど医局には入りたくない」
といった方々にとって、精神科は一つの選択肢になりえます。
精神保健指定医の取得は専門医プログラムとは関係ありませんから、転職エージェントに相談することで、資格取得を目指しつつ理想的な職場をリストアップしてもらえる可能性があります。
既に取得済みor取得の目処が立っている方は、転職サイトに希望条件だけ登録しておくと、公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。
この記事があなたのキャリア形成の手助けなれば幸いです。
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以上、ふなっしーでした!