外科系として最前線で医療に携わっている方の中には、「このままでいいのだろうか?」と、自身のキャリアに不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
私も外科特有の難しさに悩む医師の一人でした。
しかし、現在は別の診療科に転科し、自分の思い描いたキャリアを歩むことができています。
そこで本記事では『【体験談】外科医が転職を考える理由|転科した元外科医が解説医師』を説明していきます。
転職相談を経て大学医局を離脱。泌尿器科⇨精神科に転科したぼくが、実体験をもとに解説するよ!
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ライフワークバランスが取りづらいから
外科医が転職を考える理由の一つとして、ライフワークバランスが取りづらいことが挙げられます。
外科医は手術を中心に医療を展開するため、
- 術前処置や麻酔科コンサル
- 術後のICU管理や急変対応
- 時間外の緊急手術
などで長時間労働が常態化しています。
私もその中で働く一人でしたが、家族や友人との時間を確保するのが難しく、心身ともに疲弊してしまうことが多かったです。
さらに、勤務時間が不規則であるため、夏休みを除いた計画的な休暇を取ることも難しい状況にあります。
泌尿器科の時は、夏休みはあったけど、それ以外で「有休を消化したい」なんて言い出せなかったなぁ・・・
このような厳しい労働環境が続くと、仕事へのモチベーションが低下し、ストレスも溜まってしまいますよね。
その結果、ライフワークバランスを重視した働き方を求める外科医が増えているのです。
こんなに大変なのに、時間外手当の申請を制限している部署もあるからな
ギラギラした環境に疲れたから
外科医が転職を考える理由の二つ目は、競争が激しくギラギラした環境に疲れることです。
外科の世界は高い技術と迅速な判断力が求められ、常にプレッシャーが付きまといます。
オペ室は食うか食われるか空間なので、常に気を張っていなくてはなりません。
オペ看さんもみんな気が強いんだよね笑
さらに、医師同士の競争も熾烈で、鼻息の荒い若手が次々と入ってくるため、出世や評価を巡る争いが絶えません。
これに加えて、医局所属であれば研究や学会発表なども重くのしかかります。
このような過酷な環境で働き続けることに疲れ、より穏やかな職場を求める外科の先生は、次第に転職を意識するようになるのです。
実はオペに向いていないと感じたため
外科医として数年勤務してみると、「実は自分はオペに向いていないのではないか?」と実感することがあります。
外科医としてやっていくには、各疾患に適した膨大な数の術式を習得する必要があります。
実際に現場でその厳しさを体験すると、自分にその適性がないと感じることがあるのです。
器具の名前とか、なかなか覚えられなかったなぁ
お前は本当に向いてなかったんだろうな
手術中の緊張感や責任の重さに耐えきれず、上手くいかないと自己評価が下がることもしばしば。
私は幸いにも大きなトラブルに遭遇することはありませんでしたが、どうしても生じてしまう不足の事態を考慮すると、その重圧は計り知れません。
このような経験を重ねることで、「自分は本当に外科医に向いているのか?」と、疑問を抱くようになります。
チームで動くことに不自由さを感じるから
外科医が転職を考える理由の四つ目として、チームで動くことに不自由さを感じることが挙がります。
手術をスムーズに進めるためには、当然ながら外科医、麻酔科医、オペ室看護師や技師さんなど多職種が一丸となって協力する必要があります。
しかし、チームワークが苦手な医師にとって、この大規模な協力体制がストレスの原因となることがあります。
また、多くの外科系では、部署内でもチームが分かれているケースがほとんどでしょう。
特に若手や中堅医師にとっては、パワハラ気質の上司と組まされるリスクは無視できません。
外科のオーベンはガチャ
外科の現場では一瞬の判断ミスが命取りになるため、厳しい指導が行われることが多いです。
もちろん、信頼関係のもとに熱心な指導をしてもらえるのはありがたいことですが、閉鎖的な空間が影響しているのか、上司のパワハラが横行することも少なくありません。
しかし、一旦チームが組まれてしまった以上、半年から1年間はそういった上司から離れることは難しく、「上司ガチャに外れてしまうとどうしようもなくなる」という事情があります。
オペ室では合わない上司でも逃げられない
他の科であればパワハラ上司が同じ部署にいたとしても、可能な限り避けてやり過ごすことができますが、外科系診療科ではそうもいきません。
外科チームは原則的に同じオペに入るため、週に何回も苦手な上司と顔を合わせる必要性を強いられます。
体が触れるほどの距離感で、パワハラ上司からの怒号や理不尽な要求が続くと、精神的に追い詰められるのも無理はないですよね。
【実話】モンスター上司に当たってうつ病すれすれまで追い込まれる
エムスリーのアンケートによると、医師の2人に1人はパワハラ被害の経験があるようです。(まわし蹴り、叱責…医師の壮絶なパワハラ体験―医師のパワハラ調査| m3.comより引用 )
私も上司からのパワハラ体験を受けた医師の一人でした。
泌尿器科医時代、パワハラが激しく、周囲から疎まれていたベテラン医師のいる関連病院に配属されたのです。
彼は、過去に若手医師を何人も病ませたことで、医局内でも有名な人物でした。その一年間、
- 「歯医者に行くから」と日中のオンコールを押し付ける
- 術後管理は丸投げで、勤務時間中はほとんどYouTube鑑賞
- 手術や内視鏡手技の最中に罵声を浴びせる
といった仕打ちを受け、あまりのストレスで睡眠障害に。
美容師に指摘されてはじめて気づいたのですが、知らない間に円形脱毛症を発症していました。
画像:シバケン 当時の頭皮
「死んだらもう怒鳴られなくてすむかなぁ・・・」と自殺が頭をよぎるようにもなった頃、さらに上のボスに相談したことで、上司の態度が軟化して事なきを得ました。
精神科受診には至りませんでしたが、今思えば、うつ病とはいかないまでも、適応障害を発症していたんだと思います。
悩んでいる人はあなただけじゃない
外科医として日々奮闘している皆さん。悩んでいるのはあなただけではありません。
多くの外科医が、厳しい労働環境やライフワークバランスの取りづらさ、合わない上司との関係に苦悩しています。
「このままでいいのだろうか?」と自問自答しながら、現状に不満を抱えている方も多いでしょう。
私の場合は、転職エージェントに実情を吐露することで、なんとかつらい時期を乗り越えることができました。
勇気を持って新しい道を模索することは、決して逃げではありません。
よく言われることですが「転職にはリスクはあるが、転職活動はノーリスク」
もし現状に満足していないのであれば、一度、エージェントに相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
本記事では『【体験談】外科医が転職を考える理由|転科した元外科医が解説医師』を説明しました。
オペ室から逃げた医師の、取るに足らない世迷い言だったかもしれません。
でも、もし当時の私と同じ苦悩を抱いている方がいるのなら、転職は状況を打開する一つの選択肢になりえます。
気になる方は、転職サイトに希望条件だけ登録しておくと、公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。
転職を通じて、あなたのキャリアがより良いものになることを願っています。
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以上、シバケンでした!