ただでさえ忙しいのに次の学会発表、指名されたんだけど!
ぼくはカンファでバカにされた。医局ってなんでこんなにギスギスしてるんだろ?
医局という閉ざされた環境で、知らず知らずのうちに嫌がらせを受けている医師は少なくないかもしれません。
私も医局所属だったころは「これが普通なのかな・・・」と感じてスルーしてしまっていました。
しかし今では円満退局して、医局がらみの嫌がらせとは無縁のキャリアを歩むことができています。
そこで本記事では『医局を辞める|嫌がらせの典型例と対処法を退局・転科経験者が解説』を説明していきます。
転職相談を経て大学医局を離脱したぼくが、実体験をもとに解説するよ!
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医局で嫌がらせが起きやすい理由

まずは嫌がらせが起きやすい理由について、確認していこう!
縦社会の強い階層構造だから
医局で嫌がらせが起きやすい理由の一つは、その強い縦社会の階層構造にあります。
医局は上下関係が厳格で先輩医師や教授の同調圧力が強く影響する組織です。
「上の言うことは絶対」という雰囲気があるため、たとえ理不尽な指示であっても従順に従うことを求められます。
そこで上級医の権力が暴走すると、嫌がらせとしか思えない状況が頻発するのです。
無能上司の言うこと聞くのはつらいよな
激務とストレスの影響
大学医局の激務とそれによるストレスも、嫌がらせの原因になっています。
ただでさえ医師は長時間労働や緊急対応など、肉体的にも精神的にも過酷な環境で働いています。
加えて大学医局では書類作業なども多いことから、雑務の押し付け合いが生じることも。
押し付けられた側とすると嫌がらせに感じてしまうのも無理はないでしょう。
忙しいのは分かるけど、こっちに当たらないで欲しいわよね
閉鎖的なコミュニティだから
医局は閉鎖的なコミュニティであり嫌がらせの温床となりやすいです。
外側から見たらパワハラとなりかねない事象があったとしても、医局内にはそれを客観的に評価する第三者機関がありません。
組織内の問題が表面化しにくい構造が嫌がらせを招いているのです。
医局に話が漏れるかと思うと産業医にも相談できないよね・・・
医局の嫌がらせの典型事例8選

次は典型的な嫌がらせのパターンをチェックしていこう!
上司からのパワハラ
医局内で発生する嫌がらせの典型例の一つに上司からのパワハラがあります。
上級医としては熱心に教えているつもりが、指導と称して過剰な批判や人格否定を行うことがあるのです。
厚生労働省はパワハラの類型として以下を挙げています。
・身体的な攻撃(暴行・障害)
・精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
・人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
・過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行 不可能なことの強制・仕事の妨害)
・過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験 とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや 仕事を与えないこと)
・個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
(参考:「職場におけるハラスメント関係指針」厚生労働省)
こんなの医局じゃ日常茶飯事じゃん(笑)
医局でのパワハラは決して珍しいことではなく、エムスリーのアンケートによると医師の2人に1人はパワハラ被害の経験があるようです。(まわし蹴り、叱責…医師の壮絶なパワハラ体験―医師のパワハラ調査| m3.comより引用 )
私も医局所属時代、上司から以下のようなパワハラじみた指導を受けた経験があります。
- 「歯医者に行くから」と頻繁に日中のオンコールを押し付ける
- 術後管理は丸投げで勤務時間中はほとんどYouTube鑑賞
- 手術や内視鏡手技の最中に罵声を浴びせる
モンスター医局員がいる関連病院に飛ばされたら終わりだな
時間外労働の常態化
医局では時間外労働が常態化しており、先輩からの暗黙のプレッシャーによって残業を強要されることが少なくありません。
(医師を辞めたい人は多い!労働時間の現状で見る労働環境とその対策 | メディコム より引用)
実際に業務は終わっているのに「下の医師が先に帰るなんてありえない」という雰囲気が醸成されていて、なかなか帰れないことも。
それにもかかわらず中には
- 時間外手当の受理を拒む
- 実際よりも短い労働時間を記載して提出するよう求める
そんな医局もあることから、嫌がらせのように感じるのも無理はないでしょう。
時給換算したらコンビニバイトより安いからね(笑)
学会発表や論文執筆の強制

医局では研究活動が重視されるため、教授から学会発表や論文執筆を求められがちです。
もちろん自身で取り組みたいテーマであればいいのですが、特に興味のない内容を割り当てられることも少なくありません。
またただでさえ忙しい中、複数のプロジェクトを同時に進めることを強制されるとパンクしそうになってしまいますよね。
当然、業務時間内に完成させることは難しいですから過剰な時間外労働にもつながっていきます。
パワポの修正の相談したくても、いつ声かけていいか分かんないし!
毎回ダメ出しの個所が変わるの困るよね(笑)
学会会員や医療保険への加入の強要
医局や教授の利益のために、学会会員や医療保険への加入の強要されることもあります。
教授がマイナー学会のポストを目指している場合、得票率を上げるために医局員に学会の会員になることを強いるのです。
また特定の医師保険に入ることをそれとなく勧められ、それに従わなければ評価が下がるなんてことも。
医局に数%のマージンが入ってるんだろうな
他の医療者の前でバカにする

医局内での嫌がらせの典型例として、他の医療者の前でバカにするというのがあります。
看護師や他科の医師が見ている前で、上級医がわざと部下の能力を低く評価したり、過去の失敗を公然と罵ったりする状況はしばしばみられます。
他者の前で恥をかかされると自信を失い、業務に対するモチベーションが低下してしまいますよね。
他科の先生の前でイジってくるのとかも辞めてほしいなぁ...
仕事や経験を与えない
医局内の嫌がらせの典型例の6つ目として仕事や経験を与えないことがあります。
これは意図的に業務を割り当てられず、手術や経験になる手技への参加を拒まれるケースを指します。
医師として一人前になるにあたって経験は欠かせないため、その機会が奪われるのは大きな不利益ですよね。
また、あからさまな排除をされると、孤立感や無力感を感じて仕事へのモチベーションを失う原因にもなります。
医局員が多いと症例の奪い合いだから仕方ないところもあるけどな
女医に対する嫌がらせ
医局内の嫌がらせの典型例の7つ目として、女医に対する嫌がらせが挙げられます。
女医の先生は自身のキャリアに加えて、子育て・出産などのイベントも控えている方も少なくありません。
しかし、そうした事情を医局が考慮してくれることは少ないです。
それどころかセクハラに近い発言を受けることもあります。
他の女医の先生も、意外と寛容じゃなかったりするのよね・・・
頻回な転勤や僻地への左遷

医局内の嫌がらせの典型例の最後に、頻回な転勤や僻地への左遷があります。
特定の医師に対して、同期よりも明らかに頻回に異動を命じたり僻地の病院への勤務を強制することを指します。
ある程度キャリアを重ねた後だったり家族を持っていたりすると、その負担はさらに重くなることも。
僻地への左遷は医局内で不満を抱える医師に対する懲罰的な意味合いが強く、嫌がらせのように感じてしまうのも無理はありません。
出身大学が外様だと遠くに飛ばされるケースも聞くよ
最近はじゃんけん大会やくじ引きで、公平性を保とうとする医局もあるけどね!
医局で嫌がらせにあったときの対処法

私も関連病院に派遣された際に日常的に嫌がらせを行ってくる上司にあたったことはあります。
彼は過去に若手医師を何人も病ませたことで、医局内でも有名な人物でした。
ここからは実際に嫌がらせにあった時の対処法を、実体験をもとに説明していきます。
嫌がらせにあったときの対処法
- 嫌がらせする人とは距離を取る
- 嫌がらせする人より上の上司に相談
- 院内のハラスメント相談窓口を使う
- 外部の専門家に相談する
- 医局を辞めて転職する
嫌がらせする人とは距離を取る
医局内で嫌がらせにあった場合、その加害者と距離を取るようにしましょう。
実際、私も物理的に離れるようにしていました。具体的には以下のような対応を行うといいです。
- コミュニケーションは業務上必要な最低限にとどめる
- 休憩時間や食事の時間帯をずらす
- 対象からなるべく遠くのパソコンでカルテ業務を行う
- 医局、病棟、外来、(オペ室)などを移動して同じ空間で過ごさないようにする
私も嫌な上司とは回診のタイミングずらしたりしてるわ
こうした対策を講じることで、少なくとも嫌がらせを受ける頻度を減らすことはできます。
嫌がらせする人より上の上司に相談
とはいえ同じ手技や手術に入る場合もあるため、嫌がらせ上司を完全に避けることはできません。
私も不眠や円形脱毛症など、心身に明確な限界のサインが出ている時期がありました。
距離を取ることでこちらの意図を察しても、相手の態度が軟化しない場合はより上の上司に相談しましょう。
実際、嫌がらせ・パワハラを受けていることを伝えた結果、なるべく同じ手術に入らない、入る場合は複数人体制にする、といった環境調整をしてもらえました。
医局は縦関係の強固な組織なので、よりヒエラルキーの高い医師からのお咎めが入れば嫌がらせしにくい状況を作れます。
避けてることは伝わっちゃうから苦肉の策だけどね
院内のハラスメント相談窓口を使う
大病院であれば、ほとんどの施設にハラスメント相談窓口が設置されています。どうにも事態が好転しない場合はこうした第三者機関に頼るのも選択肢です。
「医局内の問題を院内に持ち込むなんて…」と抵抗を感じるかもしれませんが、相談した事実が公式な記録として残ること自体に意味があります。
パワハラ防止法により、相談を受けた組織には事実確認と対応の義務が生じます。
つまりその瞬間から、「医局内の個人的なトラブル」が「病院が対応すべき案件」に格上げされるのです。
実際の対応としては、ヒアリング、加害者への注意・指導、担当の分離や業務配分の見直しといった環境調整などがあり得ます。
一人で抱え込んだ状態と、第三者機関が関与している状態とでは、その後の展開が変わるため検討の余地は十分にあるでしょう。
外部の専門家に相談する
院内への相談が憚られるなら、外部を頼ってください。
労働問題に強い弁護士、各都道府県の労働局(ハラスメントの相談は無料でできます)などが選択肢になります。
そして精神的にしんどくなったら、我慢せず心療内科・精神科の受診を選択肢に入れてください。
正式な診断書のもと休養を取って冷静な判断力を取り戻せるかもしれません。
医師はとかく自分のメンタルヘルスを後回しにしがちですが、「多忙な医師こそ早めに専門家を頼るべき」だと思っています。
医局を辞めて転職する

ただし上に挙げた対処法は、その場限りの対症療法に過ぎません。
私も距離を取ったり、上司に相談したり、労基に電話したりしましたが、2人だけで入った手術では相変わらず罵声が続きました。
組織にいる限り根本的な構造は変わりません。
私の場合、最終的に心身の回復につながったのは、退局して環境そのものを変えたことでした。
長年医局に根付いたカルチャーや悪習というのは簡単に改善するものではありませんから、本当に困っているのであれば退局も検討すべきでしょう。
私が嫌がらせにあっていた時は、転職エージェントに電話をかけて実情を吐露することで、なんとかつらい時期を乗り越えていました。
「年度が変わればこの苦境から解放される」という希望があると、どんな嫌がらせも一過性のものと受け流すことができます。
退局を決めてなくても相談していいの?
ぼくも最初に相談したときは決意は固まってなかったよ!
転職エージェントはこうした医局特有の悩みにも気軽に相談に乗ってくれます。思いつめる前に一度相談してみることをおすすめします。
実際に退局を申し出たら、さらに嫌がらせされたのか?

ここまで在籍中の嫌がらせについて書いてきましたが、この記事を読んでいる方が一番知りたいのは「退局を切り出したら、報復されるのか?」だと思います
結論、私の場合、退局を伝えてから辞めるまでの間、そして辞めた後も、教授や医局員から集団的な報復・嫌がらせを受けたことは一切ありませんでした。
「在籍中の個人によるハラスメント」と「退局時の報復」は別物で、後者は辞め方を間違えなければ避けられる、というのが経験者としての結論です。
円満に辞めるための具体的な手順は、こちらの記事にまとめています。
医局辞めると嫌がらせにあう? まとめ

本記事では『医局を辞める|嫌がらせの典型例と対処法を退局・転科経験者が解説』を説明しました。
医局で生じえる嫌がらせというのは、どこか共通点があり悩んでいるのは決してあなただけではありません。
重要なのは嫌がらせを受けた際に孤立しないことです。
信頼できる別の上司や第三者機関、転職エージェントに相談することで、自分の心身を守る体制を整えていきましょう。
どうしても事態が改善しなければ、転職・転科することも一つの選択肢です。
転職サイトに希望条件だけ登録しておくと、公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。
この記事があなたがその一歩を踏み出す際の参考となれば幸いです。
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