医局を辞めたいんだけど、何から始めたらいいのかしら?
経験者の話が聞きたいな!
終わらないサービス残業に学会発表や論文執筆。
医局を辞めたいと思う理由は様々ですが、何から手を付けたらいいのか分からないですよね。
私も退局が頭をよぎったとき、実際の経験談を聞けたらどんなにいいかと感じていました。
そこで本記事では『【医師転職体験談】医局を円満に辞める!転職に成功した医師の体験記』を説明していきます。
転職相談を経て大学医局を離脱。エージェントを経由した転職の実体験を解説するよ!
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医局を辞めたいと思った理由
医局に入ってキャリアをスタートさせた当初は、専門科を持てることに対する嬉しさがありました。
ところが時間が経つにつれ多くの問題が心身を圧迫し、次第に限界を感じるように。
ここからは「医局を辞めたい」と強く感じた理由を実体験をもとにお伝えしていきます。
過酷な労働時間・プライベートの欠如
まず医局を辞めたいと強く感じた最初の理由は、過酷な労働時間とほぼ皆無に等しいプライベートの時間です。
ご存知の通り大学病院では長時間労働が当たり前で、夜間の呼び出し・土日出勤・月7-8の当直が珍しくありません。
まぁ、あるあるだよね
また私がいた泌尿器科医局は研修医時代の病院よりも外科色が強く、時には腎移植で15時間以上オペ室にいたことも。
友人や家族との時間はおろか、自分の趣味の時間さえも見つけることができず日々の疲れは蓄積する一方です。
加えて、いつ掛かってくるか分からないオンコールにビクビクとおびえる日々を過ごしていました。
「この生活を続けるのが本当に自分の幸せなのかな・・・」って思ってたよ
医局所属なら、誰しも抱える葛藤よね
職場環境・人間関係のストレス
職場環境と人間関係のストレスも医局を辞めたいと思わせる大きな要因でした。
大学医局では、上司が帰るまでは自分も帰れない風潮があり何かと気を使います。
また医師同士の競争も激しく、心から信頼し合えるのは近い年代のごくわずかな同僚だけでした。
むっちゃ分かる(笑)
同期が少ないと、より辛いわよね
とはいえ大学病院にいた頃は、まだ良心的な方々に恵まれていたのですが運悪くモンスター医局員のいる関連病院に派遣されてしまいました。
彼は過去に若手医師を何人も病ませたことで、医局内でも有名な人物でした。その一年間、
- 「歯医者に行くから」と日中のオンコールを頻繁に押し付ける
- 術後管理は丸投げで勤務時間中はほとんどYouTube鑑賞
- 手術や内視鏡手技の最中に罵声を浴びせる
といった仕打ちを受けることに。
美容室で初めて指摘されたんだけど円形脱毛症になっちゃったんだよね
このような環境下でストレスは日々増大し、精神的な余裕は次第に失われていきました。
医師専門の転職エージェントにアポをとる
経緯は分かったんだけど、何からすればいいの?
まずやったことは複数の転職サイトに登録して、エージェントにアポをとることだったよ!
医局を辞めるなら、辞めた後の収入源をあらかじめ見つけておくと安心です。
また転職エージェントにアポを取るだけで「逃げ道がある」と精神的にも楽になります。
ここでポイントなのが、ひとつの転職エージェントでなく、複数にアポをとること。
一社に絞るのでは、ダメなの?
実際に経験して感じたのですが、エージェントによって対応や紹介できる病院が異なるので複数のエージェントにアポをとった方がいいです。
私は転職エージェントの中でも、希望通りの案件を持って来てくれる業者に絞りました。
働く条件を考えて提示する
転職活動をするにあたって、どのような働き方をしたいのか条件を考えなければなりません。
条件って言われても難しいなあ
とりあえず「これだけは嫌!」っていう、ざっくりしたものでいいよ!
エージェントとの話し合いでハッキリしていくからな
私が転職エージェントに提示した条件はこちら。
提示した条件
- 当直回数が少ない
- 当時の年収から大幅な減給がない
- 緊急疾患が少ない
- 医局所属でなくとも重要な資格が取れる
- 都市部近辺で勤務できる
- 残業が少ない
- 土日にコールがかかってくることが少ない
いや、これはさすがにムリじゃない?(笑)
この条件だけ見ると「こんなにいいところ見つかるの?」と思うかもしれません。
しかしエージェントはほとんどマッチした勤務先を探してくれました。
紹介された医療機関から勤務先を絞る
自分の希望する条件をもとに、転職エージェントに転職・転科相談を行いましょう。
私の場合は希望にマッチするのが精神科であったこと、もともと心理学に興味が合ったことから精神科を選びました。
(実際は、精神科と心理学は似て非なるものでしたが…。)
精神科を選んだ理由の一例は以下の通りです。
- 精神保健指定医のライセンスが重要で医局所属でなくとも資格取得できる
- 昇給は精神科保険指定医でほぼ決まる
- 開業を視野に入れたら、初期投資がほぼかからない
- オンライン診療との親和性が高い
できれば、転科はせずに病院を変えたいんだけど・・・
もちろん現在の診療科のまま転職するという選択肢も十分にありえます。
退局を考える経験年数によって本当に最適なタイミングなのかは変わりうるため、一度エージェントに相談してみるといいでしょう。
転科した後でも、専門医は取得できる?
新専門医制度の導入により、医局外で専門医資格を取得する難易度が以前よりも高くなっているのは事実です。
別の医局に入り直せばプログラムに入れるのは確実でも、多くの方は同じ道をたどるのを避けたいはず。
基幹病院の多くは大学病院あるいはその関連病院ですが、地域によっては医局から独立した基幹病院のプログラムに入れる可能性はあります。
転職エージェントに確認したところ、場所を問わなければ以下の診療科は医局外でも専門医プログラムに乗れる可能性があるとのこと。(2024年8月現在)
全国的にみると専攻医の場合でも紹介会社経由での採用を進める医療機関もあるようです。(※転職エージェント談)
とはいえ転職と専門医プログラムにまつわる事情は、お住まいの地域によりますし時間を追って変化していきます。
一人で悩まずに拠点とする地域の専門医プログラムに関して、エージェントに問い合わせしてみることをおすすめします。
病院見学へ行く
転職エージェントに条件に見合う病院を探してもらい、私は2つの病院へ見学に行きました。
正直なところ、病院見学は1日がかりなので心理的に疲れました。
研修病院の見学と同じ感じね
しかし立地や病院の雰囲気を理解するのには役立ったと思っています。(実際に行かないとわからないこともあるので…。)
私の場合、高圧的な上司に振り回されて病んだ経験があったので、若手医師が委縮してないかなども注意深く観察するようにしていました。
また病院見学を経るごとに、過酷な医局生活の終わりが見えるようで気持ちが楽になったことを覚えています。
将来への期待感って、大事だよな
【体験談】各エージェントの対応
参考までに各転職エージェント対応を紹介します。
最終的に成約に至らなかった会社の名前は伏せますが、特に対応が悪かったわけではありません。
3社ほどにアポイントをとり、いずれのエージェントも親身になって取り組んでくれたと思います。
A社
1社目とのコンタクトでは女性の社員さんと連絡をとり「直に会ってお話でも!」と言われたので、カフェでお会いしてみること。
実際に行ってみると、真横に中年のベテランエージェントさんが座っていました。
(内心)あ、もう一人いらっしゃるのね・・・
一瞬あっけにとられましたが、気にせず話を進めていくと彼が商談を進めていきます。
どうやら女性はドアノック要員で実権は彼にあるようです。
結局A社からはいい転職案件はいただけませんでしたが「精神科への転科が私の希望する条件を満たす」ことを知れたのは収穫でした。
数人で来るパターンがあることは、知っといてもいいかもな
B社
2社目は中年女性。
既に精神科への転科を決めていたので、精神科救急病院の見学に帯同していただきました。
ハードそうな病院だったので「今と労働環境は変わらないのでは?」との懸念が残り、成約には至らず。
病院ごとの特色の違いも考慮しないといけないんだね!
別の穏やかな病院を提案してみましたが、その病院は定員の空きがないので「難しい」と言う返答でした。
リクルートドクターズキャリア
3社目は若年女性。
2社目が取り付けできなかった病院の見学に立ち会っていただき、常勤医師のポジションを成約していただきました。
別の会社であれば、話を通せるなんてことがあるのね
その後はその方と教授との面談の進め方について、頻繁に電話を取るようになり退局までをサポートしてもらうことになります。
複数の転職エージェントにアポを取るべし
私は幸い当たりませんでしたが、対応が悪い転職エージェントだと、
- 条件に合わない病院を紹介される
- 悪条件を隠して、転職を進める
- 連絡が頻繁で転職を急かしてくる
といったことがあるようです。
エージェントからしたら、どこの病院に行こうが関係ないもんね
転職は向こう数年の将来が決まるものなので、なるべく妥協はしたくないですよね。
A社やB社も誠実に対応してくださいましたし、案件が出るタイミングなど、様々な不確定要素が絡んだと思います。
やはり複数の転職エージェントにアポを取ることが、後悔しない転職をするためには重要だと感じました。
転職先を決める
転職先は病院見学に行った2つのうちから病院を決めました。
ここでは泌尿器科で働いていた時に、病院が取り扱う疾患によって大変さが全く変わるのを知った経験が役立ちました。
例えば泌尿器科だと腹腔鏡やロボット手術がメインなのか、尿管結石症例が多いのかで忙しさが全然違います。
当然、前者の方がはるかに大変だよ
精神科でいうと疾患による特徴は以下が挙げられます。
- 中毒疾患
⇨アンダーグラウンドな患者が多く、ちょっと怖い - 重症統合失調症
⇨若く体力がある患者の比率が高く不穏になると一苦労 - 精神科スーパー救急
⇨夜間対応が多い
私が選んだ病院は認知症センターなので、落ち着いた働き方ができると思いました。実際その通りになっています。
何の疾患に特化してる病院なのかも、要チェックなのね!
教授への退局の申告時期を決める
転職の話が進んだら、いよいよ教授へ退局の申告時期を決めます。
私はエージェントの指示のもと、退局半年前の8月30日に教授にメールを送り面談の取り付けをしました。
医局の人事に影響が出ないよう配慮しての日程調整でした。
メールの文章例(タップで開きます)
○○教授
平素より大変お世話になっております。現在□□病院で勤務しております、シバケンと申します。
突然のご連絡失礼致します。
私事で大変恐縮なのですが、折り入ってご相談したいことがございます。
つきましては、上記に関しまして、お時間をいただくことは可能でしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
□□病院 △△科 シバケン 拝
自分1人では退局を伝えるタイミングがわからなかったので、エージェントに指示がもらえると安心です。
またカウントダウンアプリにメールを送る日付を入力し、転職へのモチベーションを維持するようにしていました。
TheDayBefore (カウントダウンアプリ)
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面談に不安を感じた時にとった対策
心理的に孤立しないよう人と積極的に関わる
面談を取り付けてからは、心理的に孤立しないように医療畑とは関係ない友人・家族と積極的にコミュニケーションを取りました。
転職活動によって、人のつながりや自分の立場も変わることを予想すると孤独を感じやすくなります。
医療畑とは関係ない人と話すと、仕事のことが頭によぎりにくく人とのつながりも感じれました。
また転職エージェントにも頻繁に電話連絡をしました。
孤立すると冷静な判断ができなくなるため、意識して人と関わるようにした方がいいと思います。
そんなに不安なものなの?
周囲の医局員が、内心どう思ってるか分からないからね
嫌がらせに備えてココナラで相談の準備
退局を申し出た後にイジメられるリスクに備えて、ココナラなどのスキルマーケットで、心理カウンセラーに相談する準備をしていました。
かなり用意周到ね(笑)
退局すると知った人の中には、よく思わない人もいるかもしれません。
実際に退局が決まってから嫌がらせを受けるケースもあるようですし、自分のメンタルを安定させるための相談窓口を準備しておくことは大切です。
ただ実際には教授に反感を抱いている医局員も多かったこともあり、みんな今まで通りの接し方をしてくれました。
労基へ連絡して引き止め時のシミュレーション
「もしかしたら、引き留められて医局を辞められないかもしれない」と思った私は、労働基準監督署へ連絡して引き留めにあった場合のシミュレーションまでしました。
やっと医局から解放されると思っていたのに「もし退局できなかったら...」と想像するだけで苦しいです。
退局するにあたって正当な知識と対応を身に付けておくべきだと考え、労働基準監督署へ連絡して有事の対応について確認。
実際には引き留められませんでしたが、あらかじめシミュレーションをしたことで気持ちに余裕をもって退局を申告できました。
流石に考えすぎでしょ!
バックに味方をたくさんつけておいた方がいいよ!
その上で面談時は低姿勢にな
教授へ退局の意思を伝える
9月の初旬、いよいよ教授との面談です。
教授に退局の意思を伝えた時は「そんなことだろうと思ったよ。」と優しく仰っていただきました。
退局にあたっていろいろ準備して気構えていたので、少し拍子抜けした感じと安堵の気持ちもありました。
怒った様子はなく、労働者の権利にも配慮しているようでした。
意外と穏やかな対応なのね
たまたま、引き止めがなかったケースなだけかもしれんけどな
私のケースでは2ヶ月ほど先に再度教授との面談を調整され、「その日までよく考えて、心変わりがあったら言ってくれ」と伝えられました。
超マイルドな引き留めだね笑
その際には病院見学も済ませており、心変わりするとは思えませんでしたが…。
お世話になった方々に挨拶回り
退局時はお世話になった方々に、挨拶回りをしました。
教授に対して不満を持っている人は少なくなかったため「頑張ってくれ」と言う反応がほとんどでした。
中には「俺も辞めたいよ」とぼやく方も。
当時の同期とは今も仲が良く、現在も定期的に飲みに行っています。
つまり、不安は全部杞憂だったわけだ
まぁ、「備えあればうれいなし」だから(笑)
医師転職体験談 まとめ
本記事では『【医師転職体験談】医局を円満に辞める!転職に成功した医師の体験記』を説明しました。
医局を辞めようと思った時、まずは医師専門の転職エージェントへアポをとるとよいです。
アポをとると医局を辞めるための道しるべができます。そして転職の話が進むにつれて、気持ち的にもどんどん楽になっていきます。
私は退局して今の生活を手に入れることができ、本当によかったと心の底から実感しています。
もし少しでも悩んでいるのなら転職サイトに希望条件だけ登録しておくと、公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。
過去の私のように激務でしんどい思いをしている医師、医局を辞めたいと思っている医師の役に立てれば嬉しいです。
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以上、しーばんでした!
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