医師としてのキャリアを歩む中で、医局は避けられない道だと感じている方も多いかもしれません。
私もその一人で、臨床研修後は地元に戻り、外科系診療科の医局に所属していました。
しかし、現在では退局→転科を経て、市中病院に勤務してストレスレスな働き方を実現できています。
実際のところ、医局に入らないという選択肢は、どんなものなのでしょうか?
本記事では『医局に入らない働き方ってどうなの?退局して転科した若手医師が解説』を説明していきます。
転職相談を経て大学医局を離脱。泌尿器科⇨精神科に転科したぼくが、実体験をもとに解説するよ!
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医局に入らないメリット① 自分で病院を選べる
医局に入らない働き方の大きな利点の一つは、勤務する病院を自由に選べることです。
医局に所属していると、教授の指示のもと配属先の病院が固定されがちですが、医局に縛られない働き方を選ぶことで、生活スタイルに合った病院を選ぶことが可能です。
自分で勤務先を決められる場合、具体的には以下のようなメリットがあります。
より給料の高い病院を選べる
大学病院が代表的ですが、医局所属の場合、給料の低い病院での勤務を求められる場合があります。
朝日新聞から、夜中に緊急手術しても「時給500円」だった大学病院勤務の医師の記事が出ていますが、医師からすると特に驚きはないですよね。(参考:夜中に緊急手術しても「時給500円」 大学病院医師の訴えに教授は:朝日新聞デジタル)
私も大学病院にいたころ、大学の給料だけでは最低賃金レベルだったため、地方の病院までバイトに出向いて生活費を賄っていました。
一方、フリーランスとして働くと、そもそも年収の高い病院だけをリストアップしたり、話し合い次第で有利な条件を引き出すことが可能になります。
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自分に合ったハードさの病院を選べる
自分に合ったハードさの病院を選べる点も、医局に属さないメリットです。
医局に属していると、勤務時間が一方的に決められることが多く、過酷な労働環境に置かれる可能性があります。
激務の環境が続くと体力的にも精神的にも疲弊してしまい、メンタルに悪影響を及ぼすことがあります。
一方で、医局に属さないことで、自分が無理なく働ける病院を選ぶことも可能です。
特に、家族との時間やプライベートの充実を大切にしたいと考える医師にとって、これは大きな魅力でしょう。
自分を大事にしろよ
病院の立地を自由に選べる
フリーランスだと、勤務する病院の立地を自由に選ぶことができます。
医局に所属している場合、若手ほど地方の病院に派遣されることが多く、生活面での負担を強いられることがほとんどです。
特に影響力のある医局に所属しているほど、都道府県をまたいだ遠方の病院に飛ばされる傾向にあります。
都心部に出るのに、新幹線が必要なこととかあるんだよね(笑)
しかし、医局に縛られない働き方を選ぶことで、自分の生活スタイルに合った、アクセスが良い都市部の病院などを選ぶことも可能です。
自分の望む生活環境とキャリアを両立する上で、病院を選べる自由権は捨てがたいものがあります。
自分の興味のある分野に強い病院を選べる
メリットの4つ目は、自分の興味や専門分野に特化した病院を選べる点です。
医局にいると、全国から症例が集まってくるような、専門家の中でも特にマイナーな領域に専念させられることもあります。
もちろん、必要な領域には違いありませんが、その分野に興味がなければ続けるのは難しいですよね。
後継者に指名されたら、数年は拘束されるぞ
しかし、医局に属さない場合は、自分の興味のある分野に力を入れている病院を選ぶことができます。
- 心カテをたくさんやりたいので、冠動脈疾患の症例が集まる病院を選ぶ
- 小児麻酔に興味があるので、小児の手術件数が多い病院を選ぶ
以上4つのメリットを挙げてきましたが、様々な観点から、病院を自由に選べることには、大きな魅力があるといえるでしょう。
医局に入らないメリット② 病院の異動がない
医局に入らない場合、勤務する病院を変えるかどうかは、自分の意志で決めることができます。
他方で、医局に所属していると、1年ごとに別の病院に転勤することが一般的。
時には、教授の指示のもと、半年での異動を余儀なくされるケースも稀ではありません。
確かに、経験を積めるという側面もあるのですが、正直、異動が少ないに越したことはありません。そのメリットは以下の通りです。
引越し費用がかからない
病院の異動がないメリットの一つに、引っ越し費用がかからない点が挙げられます。
医局人事とはいえ、引っ越し費用は自己負担となるケースが多く、キャリアを通じた総額は数百万円に上る場合も。(参考:【調査】医師の転居・転勤事情は?引っ越しで必要な手続きや物件探しのポイントも解説 - 【Dr.転職なび】)
いわゆる、引っ越し貧乏ってやつだね
フリーランスであれば、数年間どっしりと腰を据えて一つの病院で働くことができます。
仮に病変を変えるとしても、今の住居から通える別の勤務地を探すこともできるため、余計な引っ越し費用はかかりません。
医療と関係ないことを学び直す必要がない
長期間で勤務する場合は、医療とは直接関係のないことを学びなおす必要がありません。
新しい病院に赴任した際の、カルテの使い方や院内のシステムに慣れるための時間、ムダに感じてしまうのは私だけでしょうか?
これには時間と労力がかかり、本来の医療業務に集中する妨げになってしまっています。
医局に入らないことで、こうした無駄な学習コストを削減できる点は、大きな利点と言えるでしょう。
人間関係がリセットされない
異動がなければ、人間関係がリセットされることもありません。
一方で、医局に属していると頻繫に異動が発生し、そのたびに0から人間関係を築く必要があります。
もちろん人間関係が広がるのは素晴らしいことですが、社会人であれば、自分の趣味のコミュニティなどを探すのは、さほど難しくはありません。
毎年のように人間関係の構築にリソースを割かなくていいのは、フリーランスの楽なポイントといえそうです。
モンスター医局員がいる病院に飛ばされるかもだしね
医局に入らないメリット③ 医局のしがらみがない
医局に入らないことで、その特有のしがらみからも解放されます。
医局に所属していると、上司からの要請や集団的圧力で、様々なことを押しつけられるリスクが高まります。
もちろん、自ら進んで行う仕事はやりがいもひとしおですが、強制されるとなると話は変わってきますよね。
フリーランスになることで、以下のメリットを享受でき、自分のペースでキャリアを築くことが可能になります。
医局所属じゃないと・・・
- 学会発表や論文作成の強要がない
- 学会や医師保険への入会の強要がない
- 辞めるとしても後腐れない
興味のない学会発表や論文作成の強要がない
医局所属でなければ、発表や論文作成を強要されることはありません。
一方で、医局にいた頃は、忙しいスケジュールの中で、関心のない分野の研究活動やデータ入力を求められることが日常茶飯事でした。
フリーランスとなった今では、そうしたことは皆無ですが、自分の探求心に基づいて論文作成しておられる先生はいらっしゃいます。
医局のしがらみから解放されることで、自分が本当に興味を持って取り組みたいテーマに集中することができるでしょう。
ただ顔を合わせるだけの、謎の会とかあるよな
学会や医師保険への入会の強要がない
医局所属時代に特に嫌だったのが、マイナー学会や医師保険への入会の強要でした。
上司が重要なポストに就けるように、一人の学会員となって投票することを強いられるのです。
また私は外科医だったので、既に医師向けの保険に入っていたのですが、それとは別の、保証の薄い医師保険に加入されられることもありました。
医局に数%のマージンが入ってたのかな・・・
フリーランスであれば、そうした学会費や保険料金を支払う必要もないため、経済面でもメリットが大きいといえるでしょう。
辞めるとしても後腐れない
医局のしがらみと無縁だと、辞める際も後腐れがありません。
医局に所属していると、医局員の人間関係が深く絡み合っているため、退局の際にもさまざまな気づかいが必要です。
- 教授に向け、配慮を尽くしたメールの作成
- 各関連病院へのお礼参り
- 後任医師への詳細な引き継ぎの作成
言い出すの、むちゃくちゃ勇気いるんだよね(笑)
その点、医局に所属せずに働く場合、病院を変えたいのなら、比較的サッパリと退職することができます。
出口戦略において、精神的な負担が軽い点は、フリーランスの魅力といえそうですね。
医局に入らない割合はどれくらい?
これから入局をするか迷っている人の中には、「医局に入らない割合はどれくらいなの?」と感じている人もいるでしょう。
厚生労働省が実施した調査によれば、臨床研修を修了した医師の79.3%が医局に入局する意向を示しています。(参考:平成31年臨床研修修了者アンケート調査 結果概要)
このことから、研修を終えた約2割の医師は入局以外のキャリアを選んでいるといえます。
入局した人で最も多い回答は「卒業した大学の医局に残る」だったぞ
医局に入らない場合のデメリット
医局所属の方が専門医を取りやすい場合も
医局に入らない働き方には多くの自由があることを説明してきましたが、注意点もあります。
新専門医制度への移行により、医局所属の方が専門医取得に有利となっていることは事実です。
もし、フリーランスを意識している場合、検討している勤務先で「専門医やサブスペシャリティなどの資格が取得できるか」は確認しておきましょう。
例えば私が転科する際、精神科では精神保健指定医という資格が重要であったため、エージェントに取得できるかを聞くようにしていました。
内科などのメジャーな診療科では、中規模の市中病院であっても専攻医プログラムが用意されている場合があるため、医局外でも専門医を取得できるケースもあります。
(専門医に関しては、プログラムを用意している基幹病院を自ら探す必要があるため、エージェントが介入することは難しいようですが・・・)
退局後も専門医取得を強く望んでいる場合は、これらの情報についてチェックしておくようにしましょう。
医局向きな人もいる
私が医局に合わなかったこともあってか、そのデメリットを列記してきましたが、医局向きの人がいることも重々理解しています。
今でも当時の医局員と飲みに行くことがありますが、医局のヒエラルキーの中で生き生きと仕事をする医師の話も聞きます。(ごく少数ですが・・・)
大学院で研究するのであれば医局所属は必須でしょうし、最新のロボット機器を用いてオペをバリバリやりたいという方も、医局関連の大病院勤務が向いてると思います。
ただし、一度入ってしまうと、ほんとうに抜け出しにくい組織形態であることは事実。
現在は医師転職サイトを通じた、自由な働き方ができる時代であることを念頭に置いたうえで、自分に合ったキャリアを選択するようにしましょう。
医局に入らない働き方の感想
私は医局を辞めて、市中病院でフリーランスとして働くことにしました。
感想としては、医局に所属しない働き方を選んで、本当に満足しています。
プライベートの時間を大切にでき、ライフワークバランスが格段に取りやすくなりました。
結局、QOL
もし医師としての働き方に悩んでいたり、本当に入局していいのか迷っているのであれば、一度、転職コンサルタントに相談してみることも検討してみてはいかがでしょうか?
医局に入らない働き方 まとめ
本記事では『医局に入らない働き方ってどうなの?退局して転科した若手医師が解説』を説明しました。
医局に属さない働き方には、自由が大きく広がる魅力があります。
私自身、退局後に市中病院で働く道を選び、自分らしいキャリアの実現に非常に満足しています。
退局を意識されている方や、フリーランスとして働くことを検討している方は、転職サイトに希望条件だけ登録しておくと、公にできない内部事情も含めた好条件求人をGETできるかもしれませんよ。
この記事が、あなたの可能性を最大限に引き出すことができたのなら、嬉しい限りです。
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以上、シバケンでした!